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2016年8月10日 (水)

真・MFC千夜一夜物語 第221話 MFCの制御不良とは? その3

もう一つのMFC千夜一夜物語である日本工業出版さんの「計測技術」誌の「マスフロー千夜一夜物語<質量流量計の基礎>」という連載も2016年8月号(7/25発売)で連載25回を迎えさせて頂きました。
今回はMFC(マスフローコントローラー)と手動流量制御弁(ニードルバルブ)との関係の解説記事となっております。
本ブログと併せて、宜しくお願い致します。

さて、MFCの制御不良のパターンの解説です。
MFCが流量制御できていない場合、その制御異常の内容は何でしょうか?

2.設定信号(SV値)と流量信号(PV値)が一致しているのに実流量がずれている場合
1と違いMFCは正常に動作している(はず)にも関わらず、流量がずれてしまっているというパターンですね。
例えば100SCCM設定でSV値が入力されていて、MFCからのPV値が100SCCMで出力されているにも関わらず、実流量を測定したところ、90SCCMしか流れていなかった!という場合です。

 

これは実は難題です。
たいていこのような問題が生じた場合、「MFCが悪い!」と言われやすいのですが、そうとも限らないのです。
MFC自体の流量制御に問題がある場合と、実流量を測定した機器の問題の場合、双方に問題が無いにも関わらず、配管等の設置条件が問題の場合の大きく3つに切り分けられます。

では純粋にMFCが悪い場合を、説明しましょう。
SV値とPV値が合致していて、MFCには問題が無いように思える状況ですが、ここでまずチェックしたいのはMFCのゼロ点です。
以前の連載で解説しましたが、MFCをフルクローズした際に0であるべき流量信号が、プラス方向やマイナス方向にふらふらとずれている場合があります。
例 えば残留しているガスが抜けきっておらずMFC内部が均圧になっていない場合や、残留ガスが分子量の大きいもので、それがセンサーチューブの高温部で温め られてサイフォニングを起こすなどの色々な原因はあるのですが、そういった一時的なズレではなく、MFCの熱式流量センサーで用いられている上流下流で対 になっている測温抵抗体の抵抗値が経時変化でずれてしまい、バランスを崩している場合は、定常的にゼロ点がずれた状態になってしまいます。
そのゼロ点を修正せずに、そのままガス制御を行った際に、こういった不具合が起きます。
下にそのイメージを図示しました。

160810_01


あくまでイメージ図なので「流量制御を行っているときに、ガスをシャットしている時と同じだけ流量の起点であるゼロが本当にずれていることになるのか?」という疑問は織り込んでいません。
感覚的にゼロ点がプラス方向、マイナス方向にずれた場合の、実流量影響をご理解いただけたらと思います。

この問題はMFCのセンサーの経年劣化により生じます。
通常はゼロ点再調整やゼロリセットスイッチを押すことでゼロ点=流量0に合わせなおしてもらえば大丈夫です。
こまめにゼロ点リセットをしていただいても、またずれていく場合は、メーカーさんにオーバーホールに出してセンサーを新品に変えてもらうことをお勧めします。
こまめな保守メンテナンスがMFCの流量制御性能を延命させてくれるということですね。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

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