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2016年7月26日 (火)

真・MFC千夜一夜物語 第220話 MFCの制御不良とは? その2

もう一つのMFC千夜一夜物語である日本工業出版さんの「計測技術」誌「マスフロー千夜一夜物語<質量流量計の基礎>」という連載も2016年8月号(7/25発売)で連載26回目を迎えさせて頂きました。
今回はMFC(マスフローコントローラー)と手動流量制御弁(ニードルバルブ)との関係の解説記事となっております。
本ブログと併せて、宜しくお願い致します。

さて、MFCの制御不良のパターンを解説していきましょう。

・MFCが流量制御できていない場合
MFCの役割は流量制御ですから、これができていなければMFC失格ですね。
では、その制御異常の内容は何でしょうか?

1.設定信号(SV値)と流量信号(PV値)が一致していない場合

これは比較的よくある症状です。
必ずしもMFCが故障しているわけではない場合があります。
例えば以下のフローです。

 

160726_01


MFCのSV値はフルスケール流量の5Vを入力しているのに、PV値は0V=流量0のままです。これはMFCの制御不良か!と思われがちですが、よくフロー見てみましょう。
MFCのセンサーは流量0を検出しています。
SV値>PV値の状況なので、制御回路はバルブ制御信号(MV値)を最大にしています。
(こういう時にバルブ電圧をモニターできるMFCはベストですが、でなければソレノイドアクチュエーターモデルなら、アクチュエーターの温度が上がっているかも判断要素になります。)
でも、流量信号は0のまま。
つまりMFCの制御はちゃんと行われているのです。

となると残る可能性は、①流量センサーになんらかの不具合が生じて、ガスが流れているのに、出力0になっている可能性と②何らかの理由でガスがMFCまで流れてきていない可能性になります。
センサーの不具合を現場で検証するのは難しいので、消去法でまずはMFC周辺の配管機器、及び電気信号系の不具合を確認します。
そうするとMFC上流側の空圧弁を動作させる圧縮空気のチューブが途中で漏れて、空圧弁に正しく圧力がかかっていなかった事がわかりました。
ここを補修して、再度流量制御をさせてみたところ、問題なくMFCで流量制御が行われました。

この例のように、SV値とPV値の不一致は必ずしもMFCの不具合でない場合があります。
逆 に①のパターンだと、MFCのセンサーが寿命で巻線抵抗体が断線してしまった場合に、同様の事象が生じます。②をつぶし込んでも、どうしても不具合が解消 しない、MFCを予備のものと交換したら回復した、こういった場合はMFC個体に不具合が生じている可能性が高くなるのです。

不具合が生じたら、冷静に考えられる因子をつぶし込んでみましょう。
最近のMFCは本体にログを残しているものもありますから、「MFCがおかしいから、修理しろ!」と息巻いてメーカーに持ち込んだ結果、「ログを確認してみたら各信号が上記のようなパターンですよ」と冷静に返されて、赤っ恥をかいてしまうこともありますからね・・・

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

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