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2015年5月14日 (木)

真・MFC千夜一夜物語 第186話 MFCで使う用語のお話 その3

日本工業出版さんの「計測技術」で 「マスフロー千夜一夜物語<質量流量計の基礎>」という連載も2015年5月号で14回目を迎えさせて頂きました。
これも一重に、本ブログや連載をお読み頂いている皆様のおかげと思っております。
改めてお礼申し上げます。

さて、今回もMFC(マスフローコントローラ)で使う用語のお話です。

・ガス種
MFCを選定する際に必ず必要な項目はガス種です。
なぜならばMFCの流量センサーは熱式であり、流体の物性で流量を左右されてしまう為、実際に流すガスとMFCのラベルに記載されたガスが異なると、表示されている流量は必ずしも正しくならいからです。

おなじみの以下の図を見て頂きましょう。

150514_01

この流量式の中でCp=流体の比熱とあります。
熱式流量センサーでは、ヒーター部を通過する流体が奪う熱量の大小から流量を算出するのですが、これには通過する流体の熱を奪う力=比熱が大きな影響を及ぼすのです。 従って熱式流量計は、UNKNOWN(何かわからない)流体や、混合比率が不明、もしくは一定ではない流体の流量測定を非常に苦手としています。
(同じ質量流量計に分類されるコリオリ式流量計が、流体種を考慮しなくて良いのとは大きく異なる特性です。)

これを踏まえると「MFCをオーダーする際は、流体であるガスの表記は正確で無くてはならない」という事がおわかり頂けるかと思います。
ところがガスの表記には色んな方法があります。
例えばシラン、モノシラン、SiH4、水素化ケイ素等、日本語でガス名を記載する場合だけでも複数の同意表記があります。
また、ジシラン、トリシランは語感が似ていても全く別物です。
あるガスのつもりで用いた表記が伝言ゲームの果てに違うガスに化けていたという出来事はありがちでして、MFCが出来上がってから気がつくという笑えない 出来事が起きたりします。

半導体製造装置向けの工業規格であるSEMI Standardで定めるガスコードを補助的に用いることで、フェールセーフにはなりますが、仕様情報の発信元はエンドユーザーなので、この最上流でコー ドを選択ミスが生じたら、やはりその後のチェックをくぐり抜け、そのまま最終製品仕様に反映されてしまうリスクに直結しています。

もう一つ注意しければならないのは、MFCのカタログ記載スペックは、最近までほとんどの場合、オーダーされたガス(=実ガス)に対してではなく、キャリ ブレーションに用いたガス、多くは窒素(N2)をメーカーの流量基準器に流す状況で定義されており、いわゆるコンバージョンファクター(CF)を用いて窒 素との流量比を補正した実ガスに対して保証されている訳ではないということです。

もっとも、最近ではMGMR、Multi-Flo MFCの一部で、“実ガスでの保証“を謳うMFCもあり、それらはこの限りではありません。
ただ、メーカーによる保証定義、ガス変更後の保証等、細かな所で差もありますので、必ず確認される事をお奨めします。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

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