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2013年9月26日 (木)

真・MFC千夜一夜物語 第135夜 日本はMFCの第二の故郷です

MFC(マスフローコントローラー)の生まれ故郷はどこなの? というお話です。

連載開始時にMFCはNASAのアポロ計画のスピンオフ技術で作られた、という説があることはお話ししました。となると流れ上、当然アメリカの企業がまず製品化したわけで、先週紹介したBrooks、そしてTylanUnitといったメーカーが先駆けに位置します。
つまりMFCの生まれ故郷はアメリカということになりますね。

そしてMFCのもう一つの故郷、それは我らの日本です。
アメリカで開発された製品を、改良してより高い品質と、安いコストで提供するのは、高度成長期の日本のお家芸でしたMFCでもまさにこれと同じ現象が起きたのです。
米国Tylanの日本法人から分派した日本アエラ、堀場STEC、日立金属(サム・リサーチ)、リンテック、最近では山武、フジキンといった企業が、アメリカで生まれたMFCに、ピエゾバルブ、メタルシール化、ウルトラクリーン対応等の日本独自技術を付加することで、MFCを大きく成長させたのです。つまり日本はMFCにとって第2の故郷なのですね。

この2つの国でほとんどのMFCが開発されました。(一部、ドイツ、オランダを生まれ故郷とするMFCもあります・・・) 開発したアメリカはさておき、なぜ日本だったのでしょうか?

 

1.日本の半導体産業がMFCを育てた

Decoがこの業界に営業で入った頃、NHKの「電子立国日本の自叙伝」というドキュメンタリー番組のビデオを会社で見せられたものでした。営業研修の一環として用いられるくらいMFCのお得意様として半導体産業は大きな存在(一説には総出荷額の80%)だったのです。

そして当時の日本の半導体デバイスメーカ-、半導体装置メーカーさんは、プロセスガス制御の重要パーツとしてMFCの国産化による安定供給、高機能化を強く望んでいました。
装置のたかが一部品であるMFCを、その装置の最終ユーザーさんが気にかけて、わざわざ評価試験を行い、メーカー、機種選定をするというのは、他の部品産業 ではなかなか見られない光景です。そんなお客様と一体になった切磋琢磨の環境が日本のMFCメーカーを成長させていったのだと思われます。

 

2.日本の先端材料がMFCを育てた

半導体だけにとどまらず日本の先端材料開発力は目を見張る物がありました。
そんな中で開発された素材(ピエゾ素子、メタルシール、メタルダイヤフラム、デジタル化、MEMSセンサー・・・)を、MFCメーカーは、産みの苦しみを味わいながら製品化することで、自社製品のストロングポイントとしてアメリカ製MFCをの差別化を図っていきました。
それぞれのメーカーが看板となる技術でしのぎを削る、華々しい戦いが、切磋琢磨してメイドインジャパンのMFCの地位を押し上げていったのでした。

 

3.日本の職人がMFCを育てた

華やかな材料開発と比べて取り上げられることが少ないのですが、むしろ本当の意味で日本の強みというのはMFCの接ガス部の主要素材となったSUS316Lの加工、研磨を支えて頂いた日本の加工職人さん達の奮闘であったと思えます。
ス テンレスという決して加工しやすいわけでもなく、工具の消耗も早い材料を相手に、ひたすらコンパクトに、デットボリュームの少ない構造にするために難しい 加工を要求するMFCのボディやフランジパーツを削りだしてくれたのは、関東・関西の決して企業規模は大きくない金属加工会社さんでした。
日本でなくてはできない緻密な、レベルの高い加工技術にDecoも何度も救って頂いたことがあります。

日本の半導体生産高がアメリカを上回り、「ただ模倣して成り上がった」と陰口をたたかれた時代に、実は決して真似だけではない「日本の力」があったのと同様に、MFCも日本の材料や職人さんに支えられ大輪の花を咲かせていったのでした。

言い忘れましたが、そんなMFCの販売に情熱的に取り組まれた営業の先輩諸氏がおられます。皆さん個性的で、でもお客様とMFCという製品に愛情と誇りをもった素晴らしい方々です。

このお話の最後は、そんな方々に改めて敬意を表したいと思います。


【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

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