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2013年4月30日 (火)

真・MFC千夜一夜物語 第42夜 アクチュエータの孤独な戦い

前回お話しした「差圧は同じでも、二次圧が大気圧以上になる条件でMFC(マスフローコントローラー)を使用される場合は、ハンチングによる制御不良、バルブが閉まらず出流れによる低設定域の制御不良等の問題が生じる現象」に関して、もう少し掘り込んでお話しましょう。

 この現象の原因となるのは、実はバルブを動かすアクチュエータです。 

 MFCのアクチュエータはあらかじめリフト量(移動量=バルブ開度と考えて下さい)は決められています。そのリフト量を全部使って流量制御するのは、ごく稀な事です。なぜならばMFCのバルブは想定される最低の差圧でもフルスケール流量を流せるように調整されているからで、この差圧が大きくなればなるほど、同じリフト量でも流量は増加しますから、設定流量を保つためにはどんどんバルブを小さな開度にしていく必要があります。ですが、開度を小さくするのにはおのずと限界がきてしまい色んな問題を発生させます。

 では、差圧が最大動作差圧内なら、こういった問題は起きないかというとそれは、実際のアクチュエータが受ける圧力はどうなっているのか?によって左右されます。下図で仮に1次圧:0.7MPa2次圧:0.4MPaの差圧:0.3MPa条件に置かれたバルブタイプが異なる2種類MFCを例にとってご説明します。

130430_02

 現行MFCのバルブ構造には大きく分類すると2つありまして、Type Aのような絵は、ソレノイドアクチュエータタイプのMFCをご説明したときの絵に近似していると思います。このタイプのバルブ形式はポペットバルブというオーソドックスなもので、差圧を生むオリフィスの上流側にガスに接してアクチュエータが存在しています。その為、一次圧が高くなっても二次圧がその分高くなり差圧が維持されれば、アクチュエータにかかる圧力は一定です。

  ところがType Bですと、ちょっと様相が異なります。オリフィスの下流にダイヤフラムに仕切られたアクチュエータがあることが特長です。ここではアクチュエータが常にダイヤフラムに仕切られて大気圧雰囲気に存在していますので、二次圧がどれだけになろうと、単純に一次圧と大気圧の差がアクチュエータの受ける圧力となってしまいます。図の例ではAではアクチュエータが相対する圧力は0.3MPaに対して、Bでは同じ圧力条件でも0.7MPaかかってしまうのです。

 アクチュエータにとって正面切って戦わなければいけない圧力が実際にこれだけ違うと、表面上の差圧条件は同じでも、MFCの制御動作に差が生まれるのは当然ですね。カタログの圧力仕様の裏にあるMFCの構造にも目を向けていただけると、上手な使いこなし方がご理解いただけるかと思います。

ここを押さえて頂いた上で、次回は不適切な圧力条件で発生する、ハンチング、出流れといった不具合のメカニズムの説明をさせていただきます。

 【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

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