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2013年4月18日 (木)

第37夜 親亀の上に小亀が乗って・・・バルブ編

大流量MFC(マスフローコントローラー)と言いながら、今までは流量計測用途であるMFMのお話がメインでしたが、今回はMFCがMFCである要素たる制御バルブのお話です。

大流量MFCにとって、一番難しいのは制御バルブの部分になります。

MFCのバルブ構造に関しては既にご説明させていただきました。微少流量用MFCの流量制御バルブは基本的に100SCCM程度のガスを流すものですから、バルブをミクロンオーダーで開けて、ガスを“漏らす”ように流す構造です。これはそのまま大きな流量を供給するのにはかなり難しい構造です。1000SLMといえば1万倍の流量になります。こういった流量では当然、求められる構造も変わってくるのです。

MFCで100SLM以上の大流量制御に使用されるアクチュエータは、ほとんどソレノイドタイプです。

ピエゾはパワーもあり、分解能もいいアクチュエータですが、残念ながらストロークが短く、何段も積み重ねても大流量に使うには難しいのです。その点、ソレノイドは電磁力で引っ張りあげるタイプですから、コイルの巻き数を増やし、流す電流を増やせば、起磁力が大きくなり、なんとかなるのです。

その方式は色々です。
まず、スタンダードな方法では、上記の原理でソレノイドバルブ自体の起磁力を増やします。通常のMFCでは電源から供給される±15VDCのうちマイナス側のみを使ってソレノイドの制御を行っていたのを、大流量ではプラス側も使って、あわせて最大30Vの電圧でコントロールしたりするメーカーさんもあります。消費電流量はかなり大きくなりますが・・・

 ユニークな方法として、ソレノイドバルブと空圧アクチュエータを組み合わせ、MFCに入ってくるガスの圧力を使って空圧アクチュエータを開閉する方法があります。

簡単に言えば、圧力室という風船をつくって、そこに入るガスの量をソレノイドバルブでコントロールします。ガスを大量にいれれば風船は膨らみますね?この風船が空圧アクチュエータを動かす部分だとお考え下さい。つまりこの構造ではソレノイドバルブは空圧アクチュエータの内圧を制御するパイロットバルブとしてのみ動作し、流量制御は空圧アクチュエータが受け持っているのですね。

 その姿はまさに親亀の上に小亀が乗っているようです。

バイパスと言い、この業界の設計者はこのスタイルが好きみたいですね。(Decoが好きなだけかもしれません。)

本方式はバルブのリフト量を稼げ、ガス圧で押すためにパワーもあるため大きな流量に対応できます。しかし、その反面、応答速度は遅くなります。空圧アクチュエータを動かすのには、パイロットバルブで圧力をまず変えないといけないのですから・・・さらにガスにも制限があります。実質上空気のみです。

接ガス部分のメタル化は当然不可(風船ですから)、更に微少流量MFCどころではないバルブの締め切り性能の大幅低下などの問題も抱えています。

次回はそのあたりをDecoの恐怖体験を交えて、詳しくお話しましょう。それでは。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

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