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2013年3月27日 (水)

真・MFC千夜一夜物語 第25夜 新しいからといって万能ではないのです

MFC(マスフローコントローラ)の一連のバルブ方式のまとめとして少しお話しします。

 MFCの流量制御バルブ構造は「サーマルバルブ」→「ソレノイドバルブ」→「ピエゾバルブ」という流れで新しい技術が導入されてきました。

ピエゾの登場でアクチュエータの推力が上がることにより、「ダイヤフラム」構造のバルブが使用されるようになってきました。それぞれのアクチュエータの構造に合わせて、「NO(ノーマリオープン)/NC(ノーマリクローズ)」タイプのバルブ構造が開発され、ガスシステムで要求される安全仕様に沿った対応が出来るようになりました。

 ですが、必ずしも最新の技術が万能で、全てのアプリケーションに有効かと言われれば、そうでもありません。

MFCの用途に応じて、流すガス種、流量レンジは多岐にわたります。

例えば大流量対応でしたら、ソレノイドアクチュエータのリフト量の大きさは、ピエゾのそれに勝ります。しかも、500SLM以上の領域ではソレノイドのだけではなく、ソレノイドをパイロットバルブにして、流体の圧力を利用してメインの空圧バルブをコントロールするようなバルブも存在します。(流体種は空気に限定されますが・・・)

 か、と思えばソレノイドは磁力でバルブをコントロールする為に、強い磁界を発生させる機器(例えば真空計)の近くに併設して使用すると、アクチュエータ自体の磁界が影響を受けてMFCが正常に制御できないようなトラブルも発生したりします。

ピエゾには湿気が大敵で、ショートすることで動作しなくなってしまう事があり、特に開発初期のピエゾバルブはピエゾへの防湿対策が万全でなくてトラブルを頻発させた事もあります。現在はハーメチックシールで封入されたものが採用され、この種のトラブルは格段に少なくなりましたが・・・

 サーマルアクチュエータは二次側が高真空になるとオリフィスに噛み混んでしまいガスが流れなくなるトラブルや、オリフィス自体との接触でパーティクル(ゴミ)を発生させる為に、全閉状態でも少しオリフィスとの間にギャップを設定してあり、他のバルブよりも更に閉止性能が良くない傾向があります。

 こういった各バルブ特性に基づく意外なトラブルを経験してきたMFC黎明期からの色々な先人達が、貴重な経験からノウハウを残してくれています。つまり「新しい=良い」ではなく、各々の製品、技術の特性を理解した上で、その得意分野で使うこと(=使いこなすこと)が重要だとDecoは思っています。

 このブログではこういった事例(特にDecoの失敗例ですが・・・)も都度紹介していきたいと思いますので、宜しくお願いします。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第24夜 同じ型式でも中味は違う?そりゃまずいでしょ?

MFC(マスフローコントローラ)のノーマリオープン(NO)/ノーマリクローズ(NC)という構造の違いに関してもう一つのお話です。

前回でNOとNCの用法をお話ししましたが、今回はそのMFCとしての構造上の相違点です。

NOタイプのバルブは、非通電時「開」、NCタイプは非通電時「閉」ですね。

と、いうことは、これらのバルブを制御するアクチュエータは、NO用には「全開状態がデフォルトのバルブを押して閉じていくアクチュエータ」が必要になり、逆にNC用には「全閉状態がデフォルトのバルブを引っ張って開いていくアクチュエータ」が必要になるということになります。

 さて、ここでアクチュエータに関しておさらいです。

「サーマルバルブ」のアクチュエータは熱で膨張しますから「伸びる」タイプですね?

「ソレノイドバルブ」のアクチュエータは電磁力で「引っ張る」タイプ。

「ピエゾバルブ」のは、やはり「伸びる」タイプ。

 この特性とNO/NCを組み合わせる場合、「全開状態がデフォルトのバルブを押して閉じていくアクチュエータ」には「伸びる」系のサーマルバルブと、ピエゾバルブが、「全閉状態がデフォルトのバルブを引っ張って開いていくアクチュエータ」には「引っ張る」系のソレノイドバルブが向いていることになります。

しかし、それでは「サーマルバルブ」と、「ピエゾバルブ」、特にNCが常態化してから開発され、普及していったピエゾは1:9でNCが強いこの市場では売れない製品になってしまいます。そこでMFCメーカーは色々な創意工夫でNCタイプのバルブを開発してきました。

1つの方法は、バルブの構造を「押して、開いていく」構造に転換することです。

言葉で言うと簡単なのですが、構造は押して開くということはアクチュエータの動作方向に対して、バルブの動作方向を逆にするということですから、複雑になります。

バルブの逆転機構を構成する部品数が増え、構造が複雑になることでバルブの組立&調整の難易度が上がることになります。そして複雑な構造になるということは、接ガス面積が増え、流路が複雑になるという問題も発生します。

 このことは少々厄介な問題を引き起こします。それは同じメーカー同じ型式のMFCなのに、NOとNCではバルブの構造が大きく異なってしまうものが出てくることです。つまり、必ずしも同じ性能ではない可能性があるということです。特にMFCのガス置換効率等の特性データも異なってしまうという、笑えない状況も起こります。(この方法はソレノイドバルブでNOを作る際にも応用されます。)

 それに対し、もう1つの方法は、ピエゾ自体の伸びる向きを反転させる方法で「押して(引っ張って)、開いていく」構造にすることです。これは下に伸びる筈のアクチュエータを上下倒置することで可能になります。

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上図ではダイヤフラムとピエゾの組み合わせのアクチュエータを倒置した場合の観念図です。

この方式の優れているところは、NO/NCで全く同じバルブ構造を維持できることで、前述の問題点は解消されます。現在ではこの方式が主流になっています。

こういった見えないところで素材メーカーさんとMFCメーカーさんの努力で色々と技術の工夫、進化があるのですね。 

 【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan 

2013年3月25日 (月)

真・MFC千夜一夜物語 第23夜 本当に安全なのは?

MFC(マスフローコントローラ)のバルブのノーマリオープン(NO)/ノーマリクローズ(NC)の違いと用途のお話です。

NOタイプとNCタイプの市場での比率は、おそらく1:9、もしくはそれ以上で圧倒的にNCだと思います。電源供給が遮断された場合に、MFCの制御バルブは閉止し、ガスが止まって安全であるという考え方はやはり一般的なのです。

可燃性のガス、腐食性のガスを使われている場合などでは、非常に納得のいく考え方です。

 ところがここには一つ盲点があります。

MFCのバルブという物は、実は流量の微少制御を目的にしているため、手動弁や空圧弁のようなガスを締め切る性能はそもそも持ちあわせていません。このことは案外知られていないようなのですが、オンオフを優先するか?途中の開度微調整を優先するか?は、実はバルブにとって相反する要求事項なのです。

近年ではバルブ構造の改良や、MFC本体にもう一つ閉止弁を内蔵することで、確実に閉止することが可能な事を謳ったMFCもありますが、多くの一般的なMFCはバルブが閉止しても微妙に漏れる場合があるのです。(特に水素やヘリウムのような軽いガスで顕著です。)

その為、MFCの前後配管には、ガスの流れを確実に閉止できる空圧弁等が設置されるのが常なのです。つまりMFCが不測の電源遮断状態に陥ったときは、前後の空圧弁を制御する電磁弁も同じJK容共に置かれている可能性が高く、それらの弁はNCである場合、確実にガスの流れは弁で遮断されるというシステム構成になっているのですね。

 

となれば「必ずNCの空圧弁をMFC前後に付けなきゃいけないなら、別にMFCNCである必要はない。」という考えでNOのMFCを使用されるお客様や装置もあります。これは毒性、腐食性の強いガスを使用されるラインで見掛けられます。この方法のメリットは何でしょうか?

 例えばMFCに電源供給が遮断されるようなトラブルが生じた場合、それもMFCの電気系自体に故障が起きMFCを遠隔制御できない状態に陥った場合を考えてみましょう。

ひとまず空圧弁でガスの緊急遮断をしたとしても、非常に危険なガスがMFCとその周辺の配管に封じられている事になります。復旧に当たっては、まずそれを安全にパージ(排除)する必要が生じます。

ところがNCのMFCの場合ですと、制御バルブは閉まったままで故障していますので、どうすることも出来なくなってしまいます。これでは内部に残留する危険なガスをパージする方法が大変難しくなります。

もちろん不可能ではなく、MFC前後の配管にバイパスが組んであれば、窒素パージと真空排気システムがあれば可能です。ただMFC内部の狭い複雑な構造から、完全に瓦斯をパージし終えるのにかなりの工数を要するでしょう。それならば、MFCのバルブがNOで全開状態であった方がガスをMFC上流からの窒素パージと下流からの真空排気で抜きやすくなり、好ましいという考え方も一部の装置・プロセスではあるのです。

その反対に、「それでもやはりMFCはNCの方がガスシステムは安全だ」という考え方も同時に成り立ちます。

「前後の空圧弁にもしもトラブルがあった場合の保険として、MFCのバルブに空圧弁ほどの閉止能力はなくてもNCで閉じる方向にいってくれた方が、一次災害の発生を抑制できる」という思想ですね。

要はガスシステムトータルでの安全を考えた場合、組み合わされるパーツの本質をよく理解いただき、足らないところを他のパーツで補っていただくことが、何より大切な安全性をより向上させるということです。

さて、次回はもう一つNO/NCにまつわるお話しです。

 【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第22夜 NO、NCって?

MFC(マスフローコントローラ)の流量制御バルブを説明して参りましたが、いざMFCを購入しよう!とすると、必ず営業さんに聞かれる事があります。

 「お求めのMFCはノーマリオープン(NO)ですか?ノーマリクローズ(NC)ですか?」

どういう意味でしょうか?これが本日のお題ですね。

ノーマリオープンは英語のNormally Open 略してNO、ノーマリクローズはNormally Close略してNCです。(本文でも略称を使わせて頂きます。)

 実はこれらの言葉はMFC関連特有のものではなく、電気回路のスイッチの特性や、配管関係でしたら電磁弁や空圧弁の特性を表すのに使用されている言葉なのです。

MFCで用いる場合、「非通電時にMFCの流量制御バルブの位置はどうなるか?」を表しています。オープンなら「全開」、クローズなら「全閉」ですね。その他のバルブも同じで「電力に限らず、動力となる力を遮断したとき、どうなるか?」を表しています。

ただ、MFCの場合、このNO/NCの解釈が誤解されている事が結構あります。

 例えば「NOのMFCは、使用中に待機させているときは常に全開だから、ガスが導入されたとき一気に流れて危険です。その点、NCならば全閉だからガスは流れないですよ。」という説明をたまに聞きます。冗談では無く、MFCを売っている営業さんがこういった発言をされているのをDecoは聞いたこともあります。でも、これは誤解なのです。

 NO/NCの前提はあくまで「非通電時」です。

MFCに電源が投入されていなければ、確かにNOのMFCは全開ですが、電源が投入されていれば、もNOもNCも実は同じなのです。

MFCは「常に設定信号で与えられた流量値と流量センサーの出力する値を一致させるように動作する」という基本原理を思い出して下さい。MFCは常にそのルールに従っているだけなので、もしガスが来なければバルブをもっと開けて流そうとします。

つまり待機時に設定信号をかけたまま放置すれば、センサーからくる流量値(この場合、いつまでたっても0です)を増やすためにバルブを全開まで開けて待機してしまうということなのです。そこにNO/NCの差は当然ありません。MFCのバルブは通電状態で使用される限りNO/NCは全く同じ動作をするということです。

 では、なぜわざわざNOとNCという仕様の異なるMFCが存在するのでしょう?

それはMFCのバルブ、そもそもの起源に起因しているとDecoは考えています。

MFCのバルブで最初に開発されたサーマルバルブの説明をした項を見てください。このバルブの構造は「コイルに通電してアクチュエータを熱膨張させることで、伸びて閉める」バルブでしたね?つまり「非通電時は全開」=NOなバルブだったのです。当初、このバルブを搭載した世代のMFCが米国、日本で大量に使用されていたためMFCがNOなガス供給システムがほとんどになりました。

 ところがここで問題が発生します。

NOですと停電やガス供給システムの電源トラブルで給電がストップした際、MFCの流量制御バルブは全開になってしまいます。それではいわゆる不測の電源遮断時に大量にガスが下流側に流れて、色んな不具合を製品に及ぼす事や、最悪は人命に関わる事故を引き起こす可能性が懸念されました。そこでNCタイプのバルブが開発されてきた訳なのです。

 それじゃ、NOのMFCなんて危険だしいらないじゃないか?というご指摘も出てくるかと思います。ところがそうでもないのです。

緊急時に果たしてMFCは全開?全閉?どちらに動いた方が本当はいいのでしょうか?

「そりゃDecoさん!閉める方が安全でしょう?」とおっしゃるかもしれませんが、実はどちらを安全と考えるかは、そのシステムの用途と設計により異なるのです。続きは次回。

 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan  

2013年3月18日 (月)

真・MFC千夜一夜物語 第21夜 ダイヤフラムとは何ですか?

MFC(マスフローコントローラ)にピエゾアクチュエーターを採用する事の最大のメリットとして「金属ダイヤフラム」を使用したバルブを形成できるというお話です。

 まず、「ダイヤフラム」って何??とおっしゃる向きもあると思います。

 「ダイヤフラム」(「ダイアフラム」とも表記されます)は「あるものと別のあるものを分離する為の薄膜」という意味です。

MFCが関係する配管関係では、ポンプ、閉止弁、圧力センサー等に幅広く使用されています。

これは「分離する」という特性が、特に腐食性ガスや毒性ガスを使用する際に、「空気、水分との反応を防ぎ機器を長持ちさせる」「接ガス面積を少なくして外部への漏れを無くす」「容積を小さくして、ガスパージ(ガス排出、不活性ガスへの置換)を速くする」というどれも安全な方向への活用できるからです。

 この「ダイヤフラム」は、その役割で大きく2つに分けられるとDecoは考えます。

1つは「分離目的のみで固定した状態で使用されるもの」と、もう1つは「分離目的とともに、可動しある役割をはたすもの」です。MFCでピエゾアクチュエーターと組み合わせて使う場合は、後者の役割になります。

下の図を見て頂けると「ダイヤフラム」が、紫色のガス部と白色の大気の部分を分離するとともに、アクチュエータの伸縮で開閉(可動)しガスの流れる量を制御する役割をはたしているのがおわかり頂けるかとお思います。

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この構造は、腐食性、可燃性、毒性ガスを多種多様に使用しなくてはいけない半導体製造用途では欠かせない構造となっています。最小の接ガスボリュームにすることで、不活性ガスへの置換もそれだけ早くなり、安全で無駄の少ないプロセスを作り上げることができるわけですね?

では、なぜ金属ダイヤフラムバルブがなかなかMFCに投入されなかったのでしょう?それは、なかなか難しい背景があったからなのです。

MFCのバルブは流量センサーの出力と、設定流量信号入力が一致するように、バルブの開度を制御するわけですから、常にバルブは動いています。動くと言うことは柔軟でなくてはいけないのですが、腐食性と耐久性などを考慮すると、当然ゴムなどの樹脂製は使用できず、やはり金属製、それもステンレス等の耐腐食性を持つ材料を使用したいところです。

しかし、そういった金属ダイヤフラムは当たり前ですが一概に堅いのです。

堅さと、しなやかさを併せ持つ材料として、日立金属社がNi-Co合金ダイヤフラムを開発したことで、大きく前進したのですが、やはりこれを押して、変形させ、維持し続ける、更に常に外部条件(温度・圧力変動)や設定流量の変化に合わせ開度を変えるため高速で動く事ができるアクチュエータは、かなり力持ち、それも瞬発力もないとだめでした。

 そこで活きてくるのがピエゾの「力持ち」な特性です。まさに適役であったと言えますね。

「金属ダイヤフラム」を活かすのはピエゾであり、逆に言えばピエゾの能力を最大限に生かしたバルブを作るには「ダイヤフラム」がかかせなかったわけですね。 

 【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第20夜 スピードよりもパワーです!

今回はMFC(マスフローコントローラ)の技術で一世を風靡しているピエゾアクチュエーターを使用した「ピエゾバルブ」の優位性に関してお話します。

「実は一つ一つは小さなピエゾですが、すごい力持ちなのです。」と前回のお話の最後で触れた部分ですね。

 「ピエゾバルブ搭載のMFCは性能が良い」という話は、ピエゾがデビューして安定してきた時期にはMFCに関して少し知識のある方々の間では定説となっていました。

 「ピエゾのどこが良いのですか?」とお聞きすると、

 「ソレノイドより応答が速いのです。」という返答が返ってくる事が多かったです。

 でも、実はこれは必ずしも正解ではありません。なぜならMFCという工業製品パッケージとしての性能で考える必要があるからです

 確かにアクチュエータとして=「部品としての応答性能」では、ピエゾの方がソレノイドよりも応答は若干速いかもしれません。しかし、MFCが「熱式流量センサーと流量制御バルブの組み合わせにより流量を制御するもの」である限り、「MFCとしての応答性能」はアクチュエーターのそれだけでは決まらないのです。

あくまでMFCは流量センサーの信号と流量設定信号を比較してバルブを動かす仕組みです。決してバルブ単体を指示通りの位置に制御する製品ではありません。

ということはMFCの応答性能は、その制御の起点になる熱式センサーの流量信号出力の速さを超えるものでは決してありません。そして熱移動を計る流量センサーの速さは・・・原理から考えてもバルブの応答性より遙かに遅いのは事実です。当然、制御を行う上で応答性能のいいバルブを使うのはいいことなのですが、それだけではないと言うことです。

スポーツカーがエンジンだけ良ければ、早く走れるかというと、そうではないのと一緒です。

では、ピエゾアクチュエーターの優れた特性は何か?まず1つは「力」です。

ピエゾとソレノイドを比較しますと、ピエゾは前回お話ししたとおり、「ある電圧をかけることでで、結晶構造体が変位する(伸びる)」のが性質です。つまり「固体の変形」により「伸び縮み」します。

それに対してソレノイドは、電磁石の「磁界の強弱」でバルブを「動かす」のであり、しかもMFCの制御バルブの場合、開閉のどちらでもない中間点で「止め」なくてはいけません。どこまで伸ばしても、あくまで固体であるピエゾと、磁界の中で浮かせて移動しているソレノイドでは、当然バルブを押さえる方向に派生する力には大きな差が出ますね。(もちろんソレノイドバルブが磁界の中で浮遊しているわけではなく、磁界の反力となる方向にバネで押さえつけられているのですが・・・)

そしてもう一つが「技」・・・器用さです。

ピエゾはそもそも微少変異量しかないのが特徴であり短所でした。でも、これをひっくり返して考えると微少な変異をするのは得意な訳です。精密に開度を調整できる器用さはそもそもの特性なのです。

力持ちで、なおかつ精密な作業が得意な器用さを持つ、まさに「力」と「技」のアクチュエータなのですね。(Decoと同じ時代に幼少期を過ごされた方には、どこかで聞いたフレーズかもしれませんね。)

では、力と技を兼ね備えるピエゾを使うことが、MFCにとってどんなメリットが出るのでしょうか?

ガスはある圧力で送り込まれてきます。そして、MFCのバルブ部分はそれを絞り込んで流量を調整するわけですね?

手動ニードルバルブ等を開閉調節して流量を調整した事のある方はすぐおわかりになられると思いますが、ガス圧がかかっているときにバルブの調整をするのはなかなか大変ではなかったでしょうか?少し開くとドーンと流れてしまい、なかなか上手く設定したい流量にバルブ開度を決めるのが難しくはなかったでしょうか?

ガス圧に対抗するだけの力をかけながら、微少な開度を調整する・・・これこそがピエゾアクチュエータの真骨頂であり、まさにMFCの為に生まれたと言っても言い過ぎではないエポックメイキングな発明だったのですね?

そして、このピエゾの果たした功績の最たる物だとDecoが考えているのはMFCのバルブを構成する上で大きなメリットになるのは、「金属ダイヤフラム」を使用したバルブを形成できることです。

このお話はまた次回で。

 【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

2013年3月13日 (水)

真・MFC千夜一夜物語 第19夜 一つ、一つは小さいけれど・・・

MFC(マスフローコントローラ)が進化する過程で、「初の・・・」という技術は色々とあるのですが、今回ご紹介する技術は、その中でも大きなエポックメイキングであったものです。

 前回お話ししたソレノイドバルブは、電磁石で動くわけですから、「アクチュエータを暖めて伸びる」のを待たなくてはいけないサーマルバルブに対し、数段早い応答特性と、大きなストローク(=流量をたくさん流せる)を持っていました。

このバルブ方式は、MFCにとっては非常に使いやすいという高評価から、多くのベストセラーMFCを産みました。有名なのはTylan社、Brooks社、Unit社製品ですね。これらの会社はほとんど米国系企業で、今でも色んな事情で社名を変え、合併を繰り返しながら、今でも第一線MFCサプライヤーとして存在しています。

 これに対して、日本国MFCメーカーが多く採用しているのが、第3の方式になるピエゾバルブです。

恐らく「ピエゾ」という言葉自体が、あまり馴染みのないものかと思います。そこで今回は、このピエゾバルブの中核である「ピエゾ」に関して御説明しましょう。

 ピエゾとは圧電素子の一種で、「ある結晶構造体に機械的圧力を加え変位させると、この圧力の大きさに比例して電圧を発生する」原理を応用しています。実際にはこの逆を使っており、「ある電圧をかけることでで、結晶構造体が変位する(伸びる)」事を利用しています。

伸びる長さはナノからマイクロメータの微小な単位です。これでは素子単体ではバルブは、ほんの少ししか動かないで、図にあるように積層スタックすることで、一つ、一つの伸びは小さくても、みんなが集まれば・・・という形で使用されます。               

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 それでも機器に内蔵できるサイズのスタックでは、マイクロメーターオーダーしか伸びはしません。その為、決してロングストロークで使用できるわけではないのですが、その高速応答性能を評価され種々の産業機器に組込まれ様々な用途で使われています。そして、このストロークは、MFCの制御する流量でも比較的小さい流量域ならば、充分な流量が流せるものだったのです。

 最初にピエゾをMFCに組み込んで実用化したのは、日本のエステック社でした。

非常に小さなオリフィスのギャップを高速応答、高分解能で精密に制御できる・・・いかにも日本人が好みそうなガジェットです。技術の指向性には、やはり国民性や民族性が大きく関わってくるのだな、と感心します。

そして、このピエゾを使ったバルブは、ソレノイドのものを決定的に上回る能力がありました。

「一つ一つは小さなピエゾですが、実はすごい力持ちなのです。」

そのお話は次回で。

 (文中にある特定企業を指す「社名」は、極力当時の社名で表記しております。現在の社名とは異なる企業があることをお断りします。)

 【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

2013年3月11日 (月)

真・MFC千夜一夜物語 第18夜 磁石の力だ!ソレノイドバルブ!

MFC(マスフローコントローラ)に関してお送りしている「真・MFC千夜一夜物語」です。

MFCでも一番ホットなサーマル方式のバルブを前回ご紹介しましたが、今回は2番手としてソレノイドバルブをご紹介します。

おそらく今、世界で稼働しているMFCに使われているバルブ方式としては、一番多い方式ではないかとDecoは思っています。それくらいメジャーなこのバルブ方式、ソレノイドバルブ、和訳すれば電磁弁ですね。

 「電磁弁なら、よく知っているよ!」

とおっしゃる方も多いのではないかと思います。なにせ遠隔操作できる閉止用バルブとしては、色んな産業用途に製品化されているバルブですから。でも、MFCに使うソレノイドバルブは、少し違うのです。

 MFCに使用されるソレノイドバルブの一般的な構造を図にしてみました。あくまで一般的なソレノイドバルブの構造を説明する為の図で、特定の企業発明物、技術を指す物では無いことをお断りしておきます。

Solenoid_valve_130311

 

ソレノイド式でバルブを動かすのは、コイルを巻いて作った電磁石の発する磁力です。

原理は簡単で、コイルにかける電圧で電磁力を発生させ、バルブを引き上げています。当然、バルブを下に引っ張る力がないと、すぐにガバッと開いてしまうので、板状のスプリングなどで電磁力と反対方向へ引き留める力を形成しています。

 こういった基本原理・構造は、一般的な閉止用電磁弁とMFC用ソレノイドバルブは同じです。ただ、閉止用磁弁は、ある電圧をかければ全開(もしくは全閉)という動作をすればいいのですが、MFCのソレノイドバルブは流量を細かく多段階に制御するために、じわじわ開き始めて、できるだけ徐々に全開に至る特性であって欲しいのです。

つまり全開-全閉間のバルブ開度を広い電圧域で制御できるように特別に調整されている必要があるという点の違いがあるのです。

 16夜 流量制御バルブの正体は?で、MFCのバルブ動作方法を勘違いされたお客様も、実はこのソレノイド=電磁弁という連想からのものでした。そもそもそのお客様の頭の中では「電磁弁は開閉しかできない」という前提があったのですね。だから、バルブを何回も開け閉めして必要な流量になるようガスを少ずつ流しているという発想をされたわけです。

まさかその開閉の途中の状態で、MFCがソレノイドバルブを止めて、がんばって制御しているとは思われなかったようです。

次回は、また別方式のバルブのお話です。

 【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第17夜 サーマルで動くのはセンサーだけではない?

MFC(マスフローコントローラ)に関してお送りしている「真・MFC千夜一夜物語」です。今回はMFCに搭載されている一風変わった「流量制御バルブ」のお話です。

MFCのバルブに求められる性能が”少々変わっている”ポイントとして、以下が挙げられると思います。

1) 流れを閉めきる性能より、途中の開度を微妙に調整できる性能を求められる

2) 手動や空圧ではなく、電気制御を求められる

3) 高速応答性を求められる

4) 禁油処理を求められる

5) ゴミを出さない構造を求められる

6) 1SCCMから100SLM、もしくはそれより大きな流量への対応を求められる

こんなところです。微妙な制御ができて、なおかつ高速で、ある程度の圧力条件で動作して、オイル・パーティクルフリー・・・

なかなかこれだけの要求を満たしてくれる便利な構造のバルブは見つからない物です。

でも、世の中にはアイデアマンがいらっしゃいました!

四半世紀前の黎明期第1世代MFCに搭載されていたバルブには、既にこの用件をかなり満たしたバルブの傑作がありました。

 その名も「サーマルバルブ」・・・ 和訳すると「熱式バルブ」!

えっ!センサーも熱式だすよね・・・よっぽどMFCを作り上げた方達は、熱いモノ好き=熱いハートの持ち主だったのかもしれませんね。

 このバルブの構造をDecoの記憶から絵にして貰ったのが、以下の図です。あくまで一般的なサーマルバルブの構造を説明する為の図で、特定の企業発明物、技術を指す物では無いことをお断りしておきます。

Thermo_valve_130311

 

 

このバルブは、ニードルが前進して弁を塞ぐコンベンショナルな構造です。

中央のアクチュエータ部は熱膨張係数の高い材料で構成されており、それにヒーター線が巻き付けてあります。ヒーターで加熱すれば、アクチュエータは伸びる方向に変形し、バルブを閉鎖方向へ動かします。このヒーター線の温度を電気的にコントロールすれば、その温度により、バルブが膨張して延びたり、縮んだりするという仕組みです。

これで先ほどの1)2)の要求をクリアできた訳ですね。

 ただし、このバルブには特性上どうしても苦手とするところがあります。

以下に整理してみました。

  高速応答は苦手です。

(「熱して延びる」の、「醒まして縮む」という動作をイメージしてもらえば、確かにそんなに高速で動ける筈はないですよね。)

 ニードルを押しつける構造上、金属同士がぶつかることでのゴミ(パーティクル)が発生します。

 二次側を真空に引いた際には、伸びたアクチュエータの復元=ニードルを引っ張り上げる力が負けてしまい、ニードルバルブがオリフィスに噛み混んだ状態でガスが流れなくなることもあります。

 ヒーターで高温に加熱したアクチュエータ部に高温で反応するガスが流入する構造上のリスクがあります。

 こういった問題点を克服すべく、次の構造のバルブが考案されてくることになります。

人間は工夫を続けるもので、機械の進歩・進化の歴史をたどるのは楽しい物です。

では、この続きの楽しいお話は次回で。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

2013年3月 7日 (木)

真・MFC千夜一夜物語 第16夜 流量制御バルブの正体は?

MFC(マスフローコントローラ)に関してお送りしている「真・MFC千夜一夜物語」ですが、この物語のベースとなる最初の「MFC千夜一夜物語」を書いていた頃は、Decoも仕事が超多忙で「徹夜明け連続稼働時間38時間目に突入!」なんてことを原稿で書いていたようです。その後、過労から連続して病に倒れるようになる未来は到底予想していませんでした。それと同時にMFCを取り巻く環境もこの10年ほどで急激に変化していった気がします。

さて、前回のお話でMFCのバルブの話がチラホラと出てきましたが、今回からMFCで使用される「流量制御バルブ」に関してお話しましょう。MFM(マスフローメータ)は流量センサーのみですが、MFCではそれと流量制御バルブが同居している訳でして、MFCを知る上で重要な部分と言えます。

しかしながら、そのバルブとはどういったものなのか?は、あまり知られていないようです。

 これは20年前にほんとうにあった笑い話です。

あるお客様から「Decoさん、MFCのバルブって面白いよね。すごいスピードでバタバタと連続開閉して、少しずつガスを流しているのでしょ?」と尋ねられました。

「ええっ~!!」と驚きました。からかわれているのか?とお客様の顔を見直しましたが、その目は真剣そのものです。

確かに一部で圧電素子を使って、ビート板のように連続振動させて流量制御しようとしていたMFCの亜流的な製品はありましたが・・・一般的なMFCのバルブは、そんな制御はしていません。

これには一般に「バルブ」と言われる物のイメージが、相当影響しているようです。ここでいう「バルブ」とは、空圧弁、電磁弁と言われるような、全開/全閉動作に特化した閉止目的のバルブの事です。

そういった0か100かの制御をするバルブと異なり、MFCの流量制御バルブは流量センサーが測定する「今の流量」に対して、設定信号ラインからくる「目標とする流量」に向かって、その差を無くし同値にしようとして絶えずバルブの開度を中間位置で制御しています。全開全閉でいる時間よりも、その途中で止まって、微調整している方が多いのです。

下図はMFCで使われる流量制御バルブの一例です。オリフィスを上から塞ぐ形で弁があり、それを上にあるアクチュエータが持ち上げて隙間(ギャップ)を作り、そこからガスが流れ込むようになっています。

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MFCの制御する流量でも小さいレンジ、例えば気体で10CC/分程度の流量なんて、少しでもバルブを開ければすぐ流れてしまうので、ほんとの微調整もいいところ=ミクロンオーダーでの調整をしているのです。

水道の蛇口を開いて水を流すときに、糸を引く細い線みたいに流れ出るように調整するのって、かなり難しいですよね?

どっと流れたり、閉めすぎて出なくなってしまったり・・・MFCのバルブは流量センサーの信号を頼りに「ちょい開け!」「いや、今度はもうちょい締めて!」とやっている訳なので、全開全閉しかできないバルブでは勤まりません。

 しかも、MFCは原則自動制御なので、手動で開閉して微調整できる訳ではなく、何らかの遠隔操作で動いてくれる必要があるのです。そんな一風変わったMFCの流量制御バルブのお話を、次回からいたしましょうね。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

2013年3月 4日 (月)

真・MFC千夜一夜物語 第15夜 水素 vs 窒素 in MFC

前回はMFC(マスフローコントローラ)の内部にある流量センサーと流量制御バルブのお話でした。

 色んなMFCメーカーさんに問い合わせてみても、H2(水素)とN2(窒素)のCFは、ほぼ1で似通っていますが、ガスとしての性質は大きく異なっています。

 その中でも大きな差があるのが密度です。

 H2の密度 (0 °C, 101.325 kPa) 0.08988 g/L

 N2の密度 (0 °C, 101.325 kPa) 1.251 g/L

 N2の密度はH2のそれの約13倍です。

それだけ同じ体積ならば軽いということになります。

 ここでなぜ密度に着目するかというと、バルブの構造に関係があります。流量制御バルブにはオリフィスという絞り部分がありまして、下の図のような絞り構造になっています。

130304_02りですから、ここでまさしく「流れを絞って」流量を減らすことができるわけですね?これを可変式にしたのが、MFCの流量制御バルブです。

オリフィスの前後の圧力の差(差圧)と流体の密度が、通過する流体の流量を決める要素となります。差圧はオリフィスの絞りが強い(=オリフィス径が細い)ほど、大きくなることは,想像しやすいと思います。

このオリフィス径は、MFCの種類により何種類もあるのですが、一般的にはごく微細な穴径のものが使用されています。

ところでH2は、前述の通り非常に軽く小さなガスですので、小さな隙間でもあれば大量に流れる性質があります。これがMFCの流量制御バルブにとっては厄介なところで、少しバルブを開くとガスが、大量に流れてしまうので、一番細いオリフィス径を選んで、他のガスだと、ほんの少ししか流れないようなバルブを作って流しています。 

ところがN2専用で作られたMFCは、当然ですがH2を流すことまで想定して、オリフィスの細い=少ししか流れない設定で作られていません。ですから、そこにH2流すと想定したより多くガスが流れてしまうことになります。

 当然、MFCは「流量制御」を生業としていますから、流量センサーの流量信号>設定信号となって、流れすぎを関知したらバルブを閉じる方向に制御します。このおかげで最終的に流量は設定値付近で安定するのですが、その動作が落ち着くまで制御は 大量に流す→閉じる→また大量に流れる・・・と暴れてしまう可能性があります。また、差圧が大きい場合や、設定流量が小さい場合は、最後まで安定せずにすっと制御が暴れたままになってしまうこともあります。

これでは全く代用になりませんね。例え最終的に安定するにしても、水素のような非常に燃焼・爆発しやすいといったガスが、設定値を遙かに超えた流量で、一気に下流へ流れるのは大変危険ですよね?

MFCに記載されたガス仕様と異なったガスを流す場合、メーカーは「保証外」とするのが一般です。CFの換算だけでの知識で、異なるガスを流すのは危険が伴いますし、事故が生じた場合、当然「自己責任」となってしまいますので、ご注意をお願いします! 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第14夜 流量センサー vs 流量制御バルブ

MFC(マスフローコントローラ)のCFのお話をしている最中

「メーカーさんからH2(水素)のCFはほぼ1だと聞きました。

今、N2用のMFCを持っているので、これを使っていいですよね?」

という質問を頂き、慌ててしまったしまったDecoです。なぜでしょうか?

 

前のお話で「ガスが熱を運ぶ能力には、ガス種によって差があり、そこを押さえれば奪われた熱量からガスが流れた量がわかる。この能力差で、ガスを表したのがコンバージョンファクター=CFです。」という説明をさせていただきました。

ならば、「CFが一緒であるなら、当然流れる量も一緒でしょ?」という話になります。

それはMFCの中にある熱式流量センサーの感度、言い換えればMFCではなくMFM(マスフローメーターの略)の流量出力に関しては、確かにそうなのですが・・・MFCの内部には、熱式流量センサー以外に、流量制御バルブが存在しています。

この問題をご説明する前に、この両者の関係からお話しましょう。

 流量センサーは、MFC内部に流れてきたガスの流量を測定し、電圧信号で出力します。これを増幅・補正し、流量信号として取り出す、これだけの機能で製品化されているのが、MFM(Mass Flow Meter)というものです。和訳しますと「質量流量計」そのものですね。

130304_01

 

 

それに対して、MFC(Mass Flow Controllerは「質量流量制御器」になります。

流量を制御するということは、実は2段階のステップを踏んでいると言うことになります。「流量を計測」し、その情報を元に「流量を制御」する仕組みでなくてはいけないということですね。

つまりMFCは「流量を増減する仕組みを付加された流量計」なのです。

 その為に、MFCには流量センサーの下流(希に上流のものもあります)に流量制御バルブが必ず存在します。このバルブは、よくある電磁弁や空圧弁のような、「ガスを流すか?流さないか?」という、言い換えれば「1か?0か?」の特性ではなく、流量を微妙に増減させることができる特性を持ったバルブです。

MFCでの流量制御は、ユーザーが制御したい流量値をMFCに設定値として入力し、流体が流れはじめると流量センサーから出力されてくる流量値と、その設定値を比較し、同値になるように流量制御制御回路が働きます。

この2つの信号を同値には当然なんらかの方法で流量を増減しなくてはいけないので、要求される流量と、流れている流量の差分を埋めるべく、流量制御バルブの開度を調整するという働きを連続的に行っているのです。

そして、センサーにCFがあるように、実はバルブにもCFに値するものがあります。

オリフィス径や、バルブのリフト量というものが関わる定数なのですが、実は同じ流量を流そうとしても、ガス種によって値が異なる傾向にあります。この値とCFが同じような傾向にあるガス同士ならばまだ良いのですが、大きく異なるものがあり、その代表例がH2N2なのです。

では、この2種類を同じ仕様のMFCに流したらどうなるか?

詳しくは次回お話ししましょう。

 【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

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