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2013年3月27日 (水)

真・MFC千夜一夜物語 第24夜 同じ型式でも中味は違う?そりゃまずいでしょ?

MFC(マスフローコントローラ)のノーマリオープン(NO)/ノーマリクローズ(NC)という構造の違いに関してもう一つのお話です。

前回でNOとNCの用法をお話ししましたが、今回はそのMFCとしての構造上の相違点です。

NOタイプのバルブは、非通電時「開」、NCタイプは非通電時「閉」ですね。

と、いうことは、これらのバルブを制御するアクチュエータは、NO用には「全開状態がデフォルトのバルブを押して閉じていくアクチュエータ」が必要になり、逆にNC用には「全閉状態がデフォルトのバルブを引っ張って開いていくアクチュエータ」が必要になるということになります。

 さて、ここでアクチュエータに関しておさらいです。

「サーマルバルブ」のアクチュエータは熱で膨張しますから「伸びる」タイプですね?

「ソレノイドバルブ」のアクチュエータは電磁力で「引っ張る」タイプ。

「ピエゾバルブ」のは、やはり「伸びる」タイプ。

 この特性とNO/NCを組み合わせる場合、「全開状態がデフォルトのバルブを押して閉じていくアクチュエータ」には「伸びる」系のサーマルバルブと、ピエゾバルブが、「全閉状態がデフォルトのバルブを引っ張って開いていくアクチュエータ」には「引っ張る」系のソレノイドバルブが向いていることになります。

しかし、それでは「サーマルバルブ」と、「ピエゾバルブ」、特にNCが常態化してから開発され、普及していったピエゾは1:9でNCが強いこの市場では売れない製品になってしまいます。そこでMFCメーカーは色々な創意工夫でNCタイプのバルブを開発してきました。

1つの方法は、バルブの構造を「押して、開いていく」構造に転換することです。

言葉で言うと簡単なのですが、構造は押して開くということはアクチュエータの動作方向に対して、バルブの動作方向を逆にするということですから、複雑になります。

バルブの逆転機構を構成する部品数が増え、構造が複雑になることでバルブの組立&調整の難易度が上がることになります。そして複雑な構造になるということは、接ガス面積が増え、流路が複雑になるという問題も発生します。

 このことは少々厄介な問題を引き起こします。それは同じメーカー同じ型式のMFCなのに、NOとNCではバルブの構造が大きく異なってしまうものが出てくることです。つまり、必ずしも同じ性能ではない可能性があるということです。特にMFCのガス置換効率等の特性データも異なってしまうという、笑えない状況も起こります。(この方法はソレノイドバルブでNOを作る際にも応用されます。)

 それに対し、もう1つの方法は、ピエゾ自体の伸びる向きを反転させる方法で「押して(引っ張って)、開いていく」構造にすることです。これは下に伸びる筈のアクチュエータを上下倒置することで可能になります。

13027_01

                       

上図ではダイヤフラムとピエゾの組み合わせのアクチュエータを倒置した場合の観念図です。

この方式の優れているところは、NO/NCで全く同じバルブ構造を維持できることで、前述の問題点は解消されます。現在ではこの方式が主流になっています。

こういった見えないところで素材メーカーさんとMFCメーカーさんの努力で色々と技術の工夫、進化があるのですね。 

 【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan 

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真・MFC千夜一夜物語(第1期)」カテゴリの記事

コメント

MFCのような、どちらかというと縁の下の力持ち的装置について、ここまで詳細に書いて頂き、興味深く読ませて頂いております。
 こういったマスフローコントローラって、ワールドワイドで見た場合、年間生産台数ってどの程度なんでしょうか。またピエゾと電磁式の現在の採用比率ってどの程度なのでしょう。
  代表的なメーカは堀場製作所、日立金属のようですが、海外勢では何処が有名なのでしょうか?
 半導体業界のマーケティングに携わっているのですが、こういったニッチな製品の技術動向や市場情報ってなかなか得ることが出来ず、もしもご存じでしたら、と思いコメントいやご質問させて頂きました。

>Yoppi828
拙ブログをお読み頂き、ありがとうございます。

>MFCの年間生産台数
半導体製造装置市場の好不調で生産台数が大きく変動する業界です。ピークで20万台/年程度でしょうか?

>ピエゾとソレノイド比率
ピエゾタイプを使用しているのは国産MFCメーカーのみで、海外は圧倒的にソレノイドになります。
現在稼働している半導体製造装置で7:3でソレノイド、最新装置に限定すればピエゾが逆転しているかもしれませんね。

>海外メーカー
USAに多くあったMFCメーカーは複雑な変遷の末、現在はBrooks Instrumentに集約されています。
他に真空計で有名なMKS等も手がけています。

ここでお答えできる範囲には限度がありますので、情報、データ、その引用元等、詳細な説明が必要でしたら、ブログ左上にある「メールを送信」から、ご依頼くださいますと幸いです。

これからも真・MFC千夜一夜物語を宜しくお願いします。

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