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2013年3月 4日 (月)

真・MFC千夜一夜物語 第15夜 水素 vs 窒素 in MFC

前回はMFC(マスフローコントローラ)の内部にある流量センサーと流量制御バルブのお話でした。

 色んなMFCメーカーさんに問い合わせてみても、H2(水素)とN2(窒素)のCFは、ほぼ1で似通っていますが、ガスとしての性質は大きく異なっています。

 その中でも大きな差があるのが密度です。

 H2の密度 (0 °C, 101.325 kPa) 0.08988 g/L

 N2の密度 (0 °C, 101.325 kPa) 1.251 g/L

 N2の密度はH2のそれの約13倍です。

それだけ同じ体積ならば軽いということになります。

 ここでなぜ密度に着目するかというと、バルブの構造に関係があります。流量制御バルブにはオリフィスという絞り部分がありまして、下の図のような絞り構造になっています。

130304_02りですから、ここでまさしく「流れを絞って」流量を減らすことができるわけですね?これを可変式にしたのが、MFCの流量制御バルブです。

オリフィスの前後の圧力の差(差圧)と流体の密度が、通過する流体の流量を決める要素となります。差圧はオリフィスの絞りが強い(=オリフィス径が細い)ほど、大きくなることは,想像しやすいと思います。

このオリフィス径は、MFCの種類により何種類もあるのですが、一般的にはごく微細な穴径のものが使用されています。

ところでH2は、前述の通り非常に軽く小さなガスですので、小さな隙間でもあれば大量に流れる性質があります。これがMFCの流量制御バルブにとっては厄介なところで、少しバルブを開くとガスが、大量に流れてしまうので、一番細いオリフィス径を選んで、他のガスだと、ほんの少ししか流れないようなバルブを作って流しています。 

ところがN2専用で作られたMFCは、当然ですがH2を流すことまで想定して、オリフィスの細い=少ししか流れない設定で作られていません。ですから、そこにH2流すと想定したより多くガスが流れてしまうことになります。

 当然、MFCは「流量制御」を生業としていますから、流量センサーの流量信号>設定信号となって、流れすぎを関知したらバルブを閉じる方向に制御します。このおかげで最終的に流量は設定値付近で安定するのですが、その動作が落ち着くまで制御は 大量に流す→閉じる→また大量に流れる・・・と暴れてしまう可能性があります。また、差圧が大きい場合や、設定流量が小さい場合は、最後まで安定せずにすっと制御が暴れたままになってしまうこともあります。

これでは全く代用になりませんね。例え最終的に安定するにしても、水素のような非常に燃焼・爆発しやすいといったガスが、設定値を遙かに超えた流量で、一気に下流へ流れるのは大変危険ですよね?

MFCに記載されたガス仕様と異なったガスを流す場合、メーカーは「保証外」とするのが一般です。CFの換算だけでの知識で、異なるガスを流すのは危険が伴いますし、事故が生じた場合、当然「自己責任」となってしまいますので、ご注意をお願いします! 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

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