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2013年2月26日 (火)

真・MFC千夜一夜物語 第13夜 空気は混合ガスだけど窒素と同じでした


前回はMFC(マスフローコントローラ)の混合ガスのCFのお話から、最後に質問をさせて頂きました。

「空気のCFは?」という質問の答はですが・・・答えは「1.0」です。

「なんだ N2(窒素)と同じ1じゃないか?」とおっしゃるかもしれません。

その通りです。 

では空気は何者?というところを探ってみましょうか?

 空気の混合ガスとしての正体=組成は以下グラフの通りです。

Air_mix

窒素:78%   酸素:21%   アルゴン:1%   水分:1%  二酸化炭素: 0.035%・・・

他にもネオン、ヘリウム、メタン、クリプトン、水素、亜酸化窒素、一酸化炭素、キセノン、オゾン、二酸化窒素、アンモニア、二酸化硫黄・・・

・・・・なるほど、空気とはかなり多くのガスの混合ガスなのですね。

では、CFを計算するには、前回あった式で各ガスのCF×と濃度で計算して・・・なんてしなくても簡単に考えて窒素+酸素で99%、この2つのCFは1と0.99くらい限りなく1。これにアルゴンが1.4だったとしても大勢は決定していますね。よって簡単に考えてもCFは1です。

つまりCFが同じということはN2用のMFCをお持ちの方は、Airにもそのまま転用できるわけですね。

MFCはCFを一つの重要な仕様としています。

今回の例のように偶然同じCFならばよいのですが、多くの場合は異なります。

Heガス用MFCの説明でもお話しましたが、MFC「ガスは何であるか?」によりそのCFを選び、それにあわせてMFCを調整しないといけないので、必ずお客様にガス種を確認してから、発注され、工場で生産されています。ですから、MFCを発注される際は、混合ガスの場合はガス種と混合比、単ガスの場合はガス種を明確にしてあげてくださいね。

 

おっと、ここで質問が来ました。

「メーカーさんからH2(水素)のCFはほぼ1だと聞きました。今、N2用のMFCを持っているので、空気と同じで、これも同じMFCで使っていいですよね?」

 あ・・それはまずいのです。ちょっと待ってください!次回、説明しますので!!

 【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

2013年2月25日 (月)

真・MFC千夜一夜物語 第12夜 混合ガスのコンバージョンファクター

 MFC(マスフローコントローラ)で使われるコンバージョンファクター(略してCF)に関するお話を続けます。

前回のお話でガスには固有のCFがあり、それを利用して異なるガスの流量を算出する術のお話をしました。このお話を読まれて、計測関係に詳しい方は、もしかしたら???と首を捻っておられるかもしれません。MFC=熱式流量計=質量流量計であるならば、そもそもこのCFという係数は疑惑の存在だと言えます。特にコリオリ式流量計と比較するとその疑惑が大きくなっていくかもしれませんね。そんな疑惑を抱えながら、もう少しCFのお話を続けさせて頂きます。

 単純に1種類のガスを用いる場合を、前回は説明させて頂きましたが、では何種類か混合したガスの場合は、どうでしょうか?

何種類か混合したガスというのは、混合ガスという名前でよく言われますが、正確に言うと「標準ガス」と「混合ガス」に分けられます。

少々、MFCの話から脱線しますが、「標準ガス」というものは、分析機器の基準調整等に使用される非常に精度の高い純度と混合精度で作られたガスのことです。これには製造ガスメーカーの検査成績書や、JCSSJapan Calibration Service Systemの校正証明書が付いてきます。それに対して「混合ガス」という言葉を用いる場合は、「標準ガス」程ではない精度で混合されたガスという意味合いで使用されることもあります。

今回のお話での混合ガスという表記は広義で「複数のガスをある比率で混合した事が明示されているガス」としてお考えください。

 さて、混合ガスを使用する場合のCFですが、実はそんなに難しくはありません。

各ガスをその混合した比率とそれぞれのCFで以下の式を用いて計算すればOKなのです。

Cf_mix1 

ところでMFCの商売をやっていると、「混合ガスでMFCを使いたいのですが?」というお話を頂いた場合、この計算式でMFCの適応する型式をご案内したりするのですが、たまに「混合比率はよくわからないけど使いたいのですが・・・」という難問に直面することがあります。

この場合、MFCとしてCFを決めることができませんから、混合ガスの流量が???となってしまい、製品として提供することは難しくなってしまいます。もし、ボンベで混合ガス購入されている場合は必ず混合比率に関する数値があるはずですのでご確認頂いた上でお問い合わせ頂けるとありがたいですね。

さて、ではここで質問です。

皆さんの周りに存在する最も身近な混合ガスは空気=Airですね?
地球に生物をはぐくんだ窒素、酸素・・・・といった複数のガスを奇跡にも近い混合比で組成されたガスです。ではこの空気のCFはいくらだと思われますか?

「そんな説明、まだDecoさんからは聞いてないよ!」とおっしゃるかもしれませんね。

でも、ヒントはちゃんと今回のお話に出ていますので・・・(ちなみに正解しても賞品はでません・・・)

 【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第11夜 コンバージョンファクターは何をコンバート(変換)しているの?

MFC(マスフローコントローラ)で使われるコンバージョンファクター(略してCF)に関するお話です。

結構難しい・・・訳ではなく、話は単純です。

前回お話しした「ガスが熱を運ぶ能力には、ガス種によって差があり、それを利用すれば奪われた熱量からガスが流れた量がわかる。」という特性のことで、ガスの種類によって、力持ちなLさん、華奢なSさん、標準体型なMさん、それぞれの熱を運ぶ能力を表した値がCFなのです。

MFCの世界ではCFでは、標準体型のMさんをN2(窒素)ガスにしています。

N2をCF=1.00として、その他のガスはこれをセンター値にして 1.40くらいから0.1以下まで分布しています。 

CFが1.00より大きなガスの代表例はHe(ヘリウム)、Ar(アルゴン)、Kr(クリプトン)、Xe(キセノン)のような単原子ガスが見られます。

N2に近いのはO2(酸素) H2(水素) F2 (フッ素)等です。

逆に小さいもの、特に0.5以下となるとSF6 WF6 SiCl4 等ですね。

ガスを少しご存じの方でしたら、なんとなく華奢な軽量級と力持ち重量級にわかれているな~と思われるでしょうね。一部例外はありますが、その通りです。

 CFの説明は、各メーカーさんのHP、カタログ、取扱説明書にあるかと思います。でも、その観念だけで記憶していると、たまに混同してしまうことがあります。

例えば「N2用のMFCHeを流したら流量はどうなるの?」なんて質問を受けた場合です。

Decoもよくぼけて逆に考えてしまい、ベテランの技術屋さんに怒られたことがあります。 そこで、以下の実例で憶えた方がいいかもしれません。

N2用に作られたMFCがあったとします。そのMFCにHeを流したとしたら、実際流れる流量はN2より多く流れます。その流量は、MFCの表示器で示めされている流量×(HeCF÷N2CF)で求められます。HeのCFは各メーカーで微妙に異なりますが、だいたい1.4から、N2より1.4倍多く流れるということですね。

 この逆の場合、HeのMFCにN2を流せば、実際流れる流量は約1÷1.4=約0.71になり、3割ほど少なく流れます。Heは軽くて流れやすい気体ですから、He用のMFCは「流れにくい」ように調整されているのですね!

 こういった具体的な事例を頭に入れておくと、N2Heが別のガスになっても、置き換えて考えればいいので便利ですよ。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

2013年2月18日 (月)

真・MFC千夜一夜物語 第10夜 力持ちなガスもあれば・・・

前回、MFC(マスフローコントローラ)では「熱の移動が流量測定につながる・・・」というお話をさせていただいたのですが、この熱の移動にはある特性があることがわかっています。実は熱線式流量センサーが質量流量計に分類されることに直結する非常に大切な特性です。

 

「熱の移動」=「ガスが熱を運ぶ」と考えてみて下さい。身近な例でお話ししましょう。

 

あなたがある運送屋さんでアルバイトとして働いていると仮定します。

そこには3人のアルバイトさんがいます。筋肉隆々の大男=Lさん、小柄で痩せた女性=Sさん、そして中肉中背平均的な体格のあなた=Mさん。力の強さは見掛け通り・・・

この3人が、とある荷物をトラックに積み込む仕事をしています。

荷物はみな同じ重さの箱が山積みです。機械は使えないので手運びです。

 

まずLさん。軽々と箱を3つ抱えて運んでいきます。次がSさん、箱を1個抱えるのがやっとのようです。そして、あなたは2個ならなんとか・・・こんな感じで3人は荷物をくり返し運んでいます。当然同じ回数運べば、たくさん運べるのはLさんになりますね。

SさんがLさんと同じ量を運ぶためには、Lさんの3倍行き来しないといけません。

 

熱式センサーの中でも同じ光景がおきています。熱=同じ重さの箱、ガス=運び手と考えてみましょう。ガスにもLさん、Sさん、Mさんがいまして、熱をたくさん運べるガスと、そうでないガスがいるのです。これにはガス種固有の「密度」や「比熱」といった性質が大きく関連しています。難しいところは各MFCメーカーさんの説明に譲りますが、ここでは簡単に「流れる流体(ガス)種によって、流量センサーの上流側ヒーターから熱を奪い、下流側に運ぶ能力は違う。」と言うことだけお話ししておきます。そして、ガスのSさんもまた力持ちのLさんと同じ熱量を運ぶためには、Lさんの3倍流さないといけない=3倍の流量が必要になるということです。

 

このようにガスが持つ固有の特性に応じて、熱を運ぶ能力差がある事注意しながら「熱を運んだ量からそのガスがどれだけ流れたか?」を導き出すのが熱線式流量計の大きな特長なのです。

 

MFCを使用する上でこの特長を表すのによく使われる言葉に「コンバージョンファクター(略してCF)」というものがあります。これはガスのLさん、Sさん、Mさん・・・各々の熱を運ぶ能力比を表した単語です。次回はこのCFに関してのお話をしましょう。

 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第9夜 なぜ熱で流量を計れるの?

MFC(マスフローコントローラ)君は質量流量計として「理想の結婚相手」なのでしょうか?彼のパーソナリティの核心部分である熱線式流量計のしくみをお話しすることにしましょう。

 では、まず下の図でMFCの一般的な構成を見て頂きましょう。

Mfc130218

図の左側から、流体が侵入し、まず整流され、バイパス部と流量センサー部へ分流されます。
分流された流体は一対の熱式センサーが配置されたセンサー管を通過した後、バイパスを通過したものと合流します。
合流点の下流には、流量制御バルブがあり、流量センサーから得た流量信号と、予め入力されている流量設定信号を比較して、バルブの開度を決定することで一定の流量を流していく仕組みになっています。

対象が気体に限るとMFCに搭載されている流量センサーは、熱式がほとんどです。
図中でコイルが2本巻いてあるのが、実は電熱線ヒーターになっています。
その原理は以下の通りです。

「径の細いセンサー管に一対のヒーターが設置され、同じ温度に制御されている。そのセンサー管に気体を流すと、上流側のヒーターの温度は奪われて下降し、逆に下流側は上流側のヒーターから奪われた熱が加温され上昇する。この時上流側ヒーターと下流側のそれとの間に生じた温度差は、流れる気体の質量流量に比例することを利用して流量を測定する。」(二線式巻線型センサーの場合)

詳細はMFCメーカーのカタログや取扱説明書に詳細な図解を交えて説明されていますので、そちらをご覧いただくとして、こちらでは概念的な物をおわかりいただければと思います。

 簡単な例えでお話しするとこうです。
2台の電気ストーブを置き、その2台を結ぶ線の中心点で直角に交わる線上に自分が座って、暖まっている・・・と考えてみて下さい。
2台のストーブから等しい熱量が放射されているとすると、あなたの座っている2台から等距離な真ん中の位置が、双方の熱量を受け、一番温度が上がる場所になりますね。
この時横合いから扇風機で風を送ると、扇風機に近い方のストーブからの発した熱は、遠い方のストーブの方向へ運ばれていき、あなたの座っているところは少し涼しくなります。扇風機を強くすればするほど、涼しくなるはずですね。

 これと同じ事が熱式センサーで起きていると考えてみて下さい。
扇風機の強さ=風量=気体流量になります。
ここで流量を検知したければ逆に考えて、「ガスが流れている際に
2つのヒーターの間で移動した熱量を測定すればいい。」という事が言えるのです。

 この原理こそがMFCの流量測定の重要な考え方なのですが、なんだか簡単に表現しすぎたでしょうか?
熱式流量計のしくみのお話は次回に続きます。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

 

真・MFC千夜一夜物語 第8夜 体積流量計と質量流量計って、どこがどう違うの?

最近ではiPhoneに代表されるスマートフォン、地デジ大画面液晶テレビ、ブルーレイHDDレコーダー等、いわゆるデジタル家電の普及が進んでいると思います。

ご存じですか?デジタル家電に搭載されているICやハードディスクなどの電子部品を製造する上でMFC(マスフローコントローラ)は欠かせないアイテムになっていることを?

実はMFCの8割がこういった電子部品製造に関連したガス流量制御に使用されているのです。それもMFC特有の「ある能力」を高く評価されているからなのです。

 

MFCの「ある能力」に関わる部分をお話をする前に、前回ご説明した「体積流量計」と「質量流量計」の違いを簡単な例を挙げてお話します。

既に体積流量と質量流量のお話をさせていただいていますので、もうおわかりかもしれませんが、今回は実際に各流量計の使い勝手で、その特性の一部をご紹介しましょう。

 

「体積流量計」は、①その構造の一部(主に流量計の二次側)を大気開放するような状態、すなわち流量計内部に圧力がかからない状態、②流量計二次側にある一定の背圧がかかる条件=二次圧が固定されている状態、このどちらかで用います。

これらの固定した圧力条件で製造された体積流量計を異なる条件で使用すると正しい流量を表示しなくなってしまいます。なぜなら流体に対する圧力変動による膨張・収縮があるからです。特に気体では体積に対して影響が大きいため、注意しなくてはいけません。

 

その為、そういった場合は適切な圧力条件の流量計を使用するか、もしくはその流量計の読み値に対する補正計算をする必要が生じます。一部には背圧がかかると大きく流量に影響してしまう流量計(石鹸膜流量計など)は、原則大気開放でのみ使用します。

 

これは温度に関しても同様です。

温度変化による体積の膨張・収縮が発生しますので、圧力と同様に製造された温度条件で使用するか、温度補正計算が必要になります。

 

つまり「体積流量計」は圧力が大きく変動したり、ガス温度が変わったりして、ガス密度が変化すると、正確な流量を指示できなくなる特性がある為、圧力、温度条件をあらかじめ固定条件にする必要があり、もしそれができない場合は、流量計の読み値に圧力・温度の補正計算を行う必要があるのです。

 

それに対して「質量流量計」は文字の示す通り、質量流量で検知しますので、流体が圧縮されたりして密度が変わった状態でも、不変と定義する事ができます。その為、ガスを質量流量で測定できる流量計を使う場合、「体積流量計」で必要だった圧力・温度の条件制約や、各々の補正計算を行う必要が無いので、ある程度の自由に設置し、使用することが可能になります。これは運用上、とても楽ですね。

 

この区分からすると質量流量計は体積流量計に遙かに優る流量計と言えます。確かに理論的に言えば「理想的な質量流量計」は優れた存在と言えますが、この「理想的な質量流量計」というのが「理想の結婚相手」と同じで、なかなか難しいものでして・・・(つづく)

 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

 

真・MFC千夜一夜物語 第7夜 流量計には色んな種類があるのです

MFC(マスフローコントローラー)出生の疑惑。果たしてMFCはその名前に違い「質量流量計」ではないのか?というお話に入ります。

 今回は「流量計」とは何?どういうものがあるの?というところを、簡単にお話しておきましょう。

そもそも流量を測定する機器・装置を「流量計」と呼びます。

大きく分類すると以下の種類になります。


容積式流量計

管路の歯車の回転数で流量を測定する


フロート型流量計

=テーパー管に浮子(フロート)をいれて、その断面から見た浮子とテーパー管のすきまに生じる圧力差と浮子の重さが釣り合う位置で流量を測定する


差圧式流量計

=配管の途中にオリフィス(中央に穴の開いた板)やしぼり(ベンチュリー)、層流管を設けて、その前後の圧力差を利用して流量を測定する


カルマン渦流量計

=流路にある障害物の後方に生じるカルマン渦の発生周期が、流量により変わることを利用して流量を測定する


タービン流量計

=流れによって回転するタービン(翼車)を利用して流量を測定する


超音波流量計

超音波の伝播時間やドップラー効果を利用して、管路外から非接触で流量を測定する


電磁流量計

電磁誘導を利用するため電気を伝導する液体に限定して、管路外から非接触で流量を測定する


熱線式流量計

=管路に電熱線を設置し、流体によって奪われる熱量が流量に比例することを利用して流量を測定する


コリオリ式流量計

=コリオリ力を利用して、管路のチューブを振動させた際に発生する捻れを利用して流量を測定する


ふう・・・色々ありますね・・・

まだまだ、ここに記載しきれていない方式もあると思いますが、一般的な流量計と呼ばれるものはこういった種類のものがありまして、用途に応じて使用されています。

 

これらの中で「質量流量計」に分類されるのは、熱線式とコリオリ式です。その他は「体積流量計です。

そして、MFCの搭載する流量センサーは熱線式流量計に当たります。

では、この2つはどう異なるのでしょうか?

「体積流量」を測定するものが「体積流量計」、「質量流量」が「質量流量計」と言ってしまえば簡単ですが、次回はこの両者の差をもう少し具体的にお話しします。

 【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

2013年2月12日 (火)

真・MFC千夜一夜物語 第6夜 MFCを巡る質量と体積の三角関係 Part4

前回いきなり修羅場となったMFC君ですが、愛憎の行方はいかに?

MFC君の言い訳を聞いてみましょう。被告人、MFC君 前へ!

 

あなたが質量流量単位ではなく、体積流量単位を使う理由は?

MFC「だって流量を10g/minって書かれてもぴんとこないと言われて・・・」

 

あなたの使う体積流量単位SCCMのスタンダード=0である理由は?

MFC「最初からそうだったのです・・・それが当たり前だと思っていました・・・」

 

歯切れの悪い回答ですね。では、弁護人Decoがご説明しましょう。

 

まず、体積流量単位を使用している理由ですが、これは敢えて慣習を重んじていると言う事になります。

確かにcc、Lという単位の方が「流れ」の単位として定着しており、使う方に馴染みがあります。

もし何グラムの窒素を流して・・・と言たら、どうも頭の中でピンとこないものです。

使用される側=ユーザーが慣習上使いやすい単位で表しているという事ですね。

 

次にスタンダード温度ですが、SCCMというSI単位系にないこの流量単位はある意味、業界各社の個々の判断にゆだねられて運用されて来ました。その為、ある業界ではスタンダード=0で定義し、その他の業界では20で定義していたりします。便宜上使われてきた単位で、公的な基準として管理されていないが故に、各々にとっての「標準」状態を定義可能になってしまうのです。

だから、0でも20でもないスタンダードも実は存在しています。現在ではスタンダード=0とは定義しているメーカーが多いのは事実です。ですが、MFCを選定される際は、このポイントを留意いただいて、各社のスタンダードを確認していただいた方がいいと思います。なぜならスタンダードが020の差はそのまま現実に測定、制御される流量の差になるからです。(273+20)/(273+0)=なんと7%強の差となれば、カタログに載っている「精度」の保証値なんか吹っ飛んでしまう差になりますから・・・

 しかし、MFC君はどうも基本のところから「慣例で」「前からやっていたから」的な言い訳が出てきますね。外見の堅い直方体なルックスとは異なり、歯切れの悪い言い訳から中味は優柔不断なイメージです。

 

やはりMFCは完全な「質量流量」を測定している訳でも無く、そもそも「計測器」じゃないから、運用がフレキシブル、悪く言えば万事適当なところがあるのです。と、爆弾発言して、次回へ続きます。

 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第5夜 MFCを巡る質量と体積の三角関係 Part3

今回は「質量流量」のお話です。

 「質量流量」は、「質量という物質の不変的性質で表した流量」なのですから、体積流量のような基準、標準状態で括る必要が無く常に一定です。流量単位としてはkg/sを用い、g/min等も用いられます。

・・・用いられます・・・って、実はDeco自身は使ったことが無いのですよ・・・

 

「でも、Mass Flow Controllerはその名の通り「質量流量」制御器なのだから、MFC生活25年?のDecoさんが、なぜ使ったことなの?何を使っているの?」というツッコミが当然あると思います。

 

では、ここでMFCを作っている各メーカーのカタログを見てみましょう。(あっ、逃げた)

ここで使用されている流量単位はSCCMSLM・・・とあります。

 

「あれ?どこにもkg/sなんて書いてないですよ。そもそもSCCMっていったい何なの??」

 

はい、ご説明しましょう。

SCCM とは Standard cc/minの略です。同じくSLMは Standard L/min の事ですね。

このStandardというのは、標準状態という意味で使われています。

もっともMFCが使用されている半導体製造分野の場合、このSが表すスタンダードは0 1013hPa状態を表します。つまり温度:0 気圧:1013hPaで定義した体積流量の単位ということになります。

ただ、このSCCMSLMという単位は、なんらかの公的な単位体系にあるものではありません。よってSI表示単位という観点から見ると、この表記は使用できない事になります。SI単位で表現する場合はPam3/sec などで表する必要があります。

 

Standard cc/minPam3/sec?あれ?これって体積流量の単位だよね・・・

しかも・・・良く読むとスタンダード:0って、スタンダードは20だってDecoさんは前回説明しているじゃないか!」という再度のツッコミが来そうですね。

 

そうなのです。

Mass Flow Controllerと名乗っているのに、使っている流量単位は、Mass=質量ではなく体積流量!

しかも体積流量にとって肝心な温度定義がスタンダードと異なるの?

どうなっているの!あなたがつき合っているのは「質量」なの?「体積」なの?「0」なの?「20」なの?」

 

連載5回目で、MFC君、いきなりの修羅場ですね。

怖いですねぇ。恐ろしいですねぇ。 続きは次回です。それではさよなら、さよなら、さよなら・・・

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真・MFC千夜一夜物語 第4夜 MFCを巡る質量と体積の三角関係 Part2

Decoはいわゆる「昭和歌謡」で子供の頃を過ごした世代です。

そのため“~ Part2”というと「バカにしないでよ~」の山口百恵“プレイバックPart2”が頭に浮かんできちゃいますね。すいません。古くて・・・

 今回は「流量」 それも「体積流量」のお話しです。

流量とは、単位時間当たりに流体(気体、液体)が移動する量を表します。

この表し方には2種類ありまして、1つが「体積流量」。

一般に「流量」と表現する場合は実は、この体積流量の事を指す場合が多いです。

この体積流量という単位で少し厄介なのは、気体に用いる場合温度、圧力により体積が変化する圧縮性があることです。液体は圧縮性がないわけではないが、非常に小さいので無視してもかまわないと思います。一例を挙げるなら、空気で膨らませた風船を小さくすることはできても、水で膨らませた風船はなかなか小さくできないでしょ?

その為、体積流量では 温度、圧力の状態を考慮して表す必要があります。この考慮するときに有名な「ボイル・シャルルの法則」=「ある質量の気体の体積[V]は、絶対圧力[P]に反比例し、絶対温度[T]に比例する」が登場しますが、詳細は割愛しておきます。「気体の質量は常に1つであるのに対して、体積は温度、圧力のマトリクス上で無数に存在する。」とだけ理解下さい。

 

体積流量の単位は、国際単位系(SI単位)では立方メートル毎秒(m3/s)を用いるとされており、他には立方メートルをリットルに、秒を分に置き換えたL/minといった単位もあります。

ただ、先ほどの温度・圧力という強面の方々の影響がありますので、「気体の場合は、温度、圧力のマトリクスで「ある温度」と「ある圧力」時の体積を基準にして表しましょう。」という約束事を決めています。

 

一般的な基準・標準状態として以下の2つが挙げられます。

0273K)、1気圧(101.3hPa)=基準状態:Normal(ノルマル)

20293K)、1気圧(1013hPa)=標準状態:Standard(スタンダード)

単位としてはNL/minとかSL/minが用いられていますが、本来計量法ではSI単位のN(ニュートン)との混同を避けるため、L/min[stp] L/min [ntp]等と表しているそうです。

 

では、次回は「質量流量」です。これはどうやら「不変」がキーワードになりそうですが、

ここで「バカにしないでよ~」的な怪しい三角関係がもつれて、爆発しそうな予感が・・・・

 【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

2013年2月 8日 (金)

第3夜 MFCを巡る質量と体積の三角関係 Part1

Mass Flowなんて名称自体が誤解を招く・・・」などという意味深な引きで終わった前回ですが、今回はそのお話・・・ではありません。伏線として引っ張ります。でも、千夜までは引っ張った末に未回収とかしませんから、ご容赦を。

今回は質量流量のお話しです。

 まず、質問です。

「質量」と「重量」は同じ意味である。はい、でしょうか?×でしょうか?

・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・・・

 答えは×です。

 例えば地球上で質量1kgは、ほぼ重量1kgになります。ところが無重力の宇宙空間では質量1kgの物質は・・・重量は0kgになってしまいます。え、なんで?(^^?)

1kg0kgになった原因は、物質に働く重力に関係があります。そういえば子供の頃、宇宙は「無重力地帯」とよく聞いたなぁ・・・

この例ほど極端でなくても、地球上で海抜0m地点と、エベレストの頂きでは、厳密に言うと重力の差分重量は変化してしまいます。

つまり質量というのが「物質の持つ不変の性質(の1つ)」であるのに対して、重量はあくまで「物質に作用する力により変化する性質」という事なのです。

この2つの言葉を英訳してみると「質量=mass」ですが、「重量=weight」となりますね。

MFC=Mass Flow Controllerの素性を表す単語の1つ目のmass=質量は不変の性質を表すということをここでは押さえて頂ければと思います。 

ということは、質量流量とは・・・

「質量という物質の不変的性質で表した流量」

ということになりますね。

これってすごいのか?当たり前なのか?どういうものなのか?

あまりなじみがない言葉だけに、戸惑われると思います。

次回は引き続き流量の種類に関してお話ししましょう。

  【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

第2夜 MFCって何ですか?

マスフローコントローラーの事を「MFC」と略記することが多いです。文字数が多いですからね・・・では「MFC」って何ですか? 早速ネットで検索してみると・・・

 

Microsoft Foundation Class マイクロソフトの開発ツール

・麻雀格闘倶楽部       マージャンファイティングクラブ?

・カネボウコスミリオンとファミリーマートのオリジナルコスメブランド

・ブラザーのインクジェットプリンターシリーズの型式 (我が家でもFAX複合型で重宝してます・・・)

 

ほう・・・っと思うものはありますが、肝心のMass Flow Controllerの略称という説明は出てきません。MFC販売生活25年!(いや、そこまで年月たってないか・・・)なんか悲しいことですよ。マスフローコントローラとMFCという略語はマイナーなものなのでした。実はこのブログを連載する動機となったのが、この知名度の低さからなんですよ。

だって親子、兄弟、友人に「何の仕事しているの?」って聞かれて「MFC売っているの」と答えたら???ですよ。(ちなみにこの質問に対する答えは「ガスの仕事しているの・・・」「半導体関係の仕事しているの・・・」 最後にはやけくそで「夢と愛を売っているの・・・」です。)

っていうことで、MFCとは何でしょう?から始めましょう。MFCはMass Flow Controllerの略語ですから、このまま英和辞書サイトで訳すと「質量流量制御器」だそうです。

「なるほど質量流量を制御するのだな!」

・・・なんだそりゃ??

「だいたい質量流量ってなに?」ですよね?これは次回のお話です。今日わかったのは「MFC=質量流量を制御する機械」だということだけですね。

でも、敢えて言うならMass Flowなんて名称自体が全ての誤解の始まりなんですけどね・・・

 

  【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

第1夜 宇宙時代の申し子

マスフローコントローラ(MFCと略)を発明したのは誰ですか?という質問に対しての回答は、ネットを検索してもなかなか答が書いてありませが、業界ではNASAのアポロ計画ではないか?という説が業界ではまことしやかに語られています。

でも、これって・・・実は都市伝説なのかも・・・と思うこともあり、はっきりしたことはわからないと言うのが、Decoの見解です。

NASAの公開特許に、熱線式流量計があり、アポロ宇宙船の姿勢制御バーニアの噴射燃料制御に使われていたという説や、いやいや宇宙船内部の酸素使用量を計っていたという説がありますが・・・

それはおそらく今のMFCという形ではなく基本原理である熱線式流量センサー部分だけで、MFCそのものがアポロ宇宙船に乗ってたとは思えないですね

 

ただ、MFCとしての基本フォーマット(流量測定するセンサと、流量制御するコントロールバルブを一体化して、外部からの流量設定信号で制御する・・・)を最初に作ったのはおそらく当時のTylan社かBrooks社だと思います。

これって各社のMFC技術の推移を見ていと、なんとなく見えて来ます。(異論あったら教えてくださいね。)どちらも「我こそがMFC産みの親」と名乗っていましたが・・・

でも、アポロ計画の一端で誕生したというスト-リーは大好きで、よくお客様との雑談でネタにしています。だって、夢があっていいじゃないですか?「宇宙」「21世紀」夢を持って語られていた時代の産物ですから。それこそ鉄腕アトムみたいに、科学技術の結晶って感じですね。

 そんな夢のある時代に、その出自を持っているMFCに関する四方山話を書いていこうと思います。「MFCってなんだ?」という方、「MFCを使ってるのだけど・・・」という方、「何を言うか、MFCに関しては私に聞きなさい。」という方、軽い雑談として読んでみてください。

  【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 前夜~マスフローという奇妙な機械の物語

このブログのストーリーテラーを勤めますDecoと申します。宜しくお願いいたします。

ここ数年、某社の商用ブログに連載してきた「MFC千夜一夜物語シリーズ」という、マスフローコントローラー(Mass Flow Controller 略してMFC)という産業用流体制御機器に関する解説、ノウハウを綴ったお話があります。通算135話に及ぶコンテンツです。

そもそもは小生のこの機器の営業・マーケッティッグ・商品開発に20年近く携わっ てきた経験、そして道を切り開かれた先人達の知見を形にして残していきたく思い始めたものです。今回、とある事情で掲載場所を無くしたものですから、個人のブログに再掲載をしていきたいと思っています。

ただ、過去の著作をそのまま掲載するのでは芸がありません。色々と商用ブログ向けの色の入った記事もあったりしますし、また最新の技術情報へアップデートしないといけない内容もありますので、「真・MFC千夜一夜物語」として、いわば過去の物語のリマスター版としての連載を始めたいと思います。

  【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】 by Deco EZ-Japan

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